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ツ、イ、ラ、ク。


ツイラク姫野カオルコ

古本屋さんの105円コーナーで手に入れた代物。

姫野カオルコさんて、気になってて、読んだことなかった作家さん。

私の中では根拠はないけれども、男女間の情感を赤裸々に綴った恋愛小説を書いている…イメージがあった。

が、意外にも恋愛小説は、この作品で2作目だという。

そしてこの作品。主人公の準子の、小学2年生のシーンから始まり、中学生になって先生と恋に堕ち、それから大人になるまでを描いたお話。

先生と教え子の恋ってんで、かなり興味本位な読み方をしていた。
でも、最後まで読んでみて驚いた。
この小説って、本当にピュアな恋愛小説だったんだ!って。
「ツ、イ、ラ、ク」って、恋に「堕ちる」って意味だったんだ。

それからもう一回パラパラと読み直してみると、相手を想う気持ちを描いた文章が、本当に切なく伝わってくる。
赤裸々な性的描写も、興味本位でなく、すごく切ないシーンとして読める。
すごい。2通りの読み方ができる小説だ。

中学生と侮るなかれ。本当にピュアな、大人顔負けの恋愛ができるのだ。なんてことを思わされてしまった。

文中のある文章。
「あのころほど、男が男そのものであり、女が女そのものである時期はない。男が女に対する、女が男に対する欲望が、もっとも正確に、もっともそのままのかたちで、遠慮会釈なく表面に出る時期。化粧もアクセサリーも洋服も靴も時計も車も会社名も、その人間をラッピングしてはくれない。髪型でさえ校則規定があった。アルコールもインテリアも音楽も、雰囲気をラッピングしてくれない。DNAの出所と分散である親きょうだいの顔や職業、住んでいる家の大きさや建ち具合まで剥き出しだった。実寸で、男は女を、女は男を、見ていたのである。思えばじつに中学校とは残酷な場所である。」

姿形は幼くても、男が男で、女が女で、ある意味本能剥き出しのままで居ざるを得ない時期だからこそ、ピュアな恋愛ができるのかもしれない。

自分の中学校時代を思い出してみても、実際苦しかった思い出の方が心に残っている。
「残酷な場所」という言葉に納得してしまった。
私は多分、いい意味でも悪い意味でも感受性が強い方なので、そういう剥き出しの雰囲気を感じ取っていたのかもしれない。
小学生の頃は、それほど感受性が育っておらず、高校生になると、自分をラッピングして身を守るやり方を身に付け始める。でも中学生の頃は、最も多感で、身を守ることを知らない時期だから、みんなのピュアな欲望が渦巻いて、「残酷な場所」になってしまうのじゃないだろうか。
中学校でいじめが多発しているのも、そういうところからきているんだろうか。。。

と、自分の中学生時代を思い出してみたり、切なくなったり、いろんなことを考えさせられる、濃い(恋)~小説でした。お後がよろしいようで(笑)。
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